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 鳴蟲山(724.6 m) 三等三角点   栃木県鹿沼市 地形図:鹿沼
 1999(平成11)年3月13日(土) 晴/曇


 去年からそばまでは行っているが入り口が分からず登ってない。紹介されている本には南からのルートが載っているが、北側からも登れると聞いたので向かってみた。塩沢地区から林道を入り山頂から西へ延びる尾根に取り付くとの事だった。しかし2月に行ったときには林道の入り口を工事中だったため断念した。3月に入って南から行こうとして、地形図にある塩沢地区へ続く林道を探す。地形図には寺の横に林道が記してあるが実際にはもう少し東寄りのようである。また寺の名前は「長谷山弘宣寺・チョウコクサンコウセンジ」とあった。しかし近くに駐車できずこれも諦めた。東へ500,600メートル行った場所に車止めはあるが、林道(掲示板には上久我石裂・作業道と記載)があり、入り口に駐車できたのでここから行ってみることにした。さらに掲示板には工事の長さは683メートルとあったように思う。北栃木幹線??号鉄塔と番号は見えないが東電の杭が立っている。

 ここから失敗が始まった。まず自分の居る位置を大幅に勘違いしたことだった。南を見ると送電線が通っているのでここが鳴蟲山より東に位置してると思ってしまった。林道は沢の右に沿って登って行く。右の斜面は高さ数メートルに削られ荒々しい。沢の中は工事中の土石で埋まってしまっている。林道の終点に着くと沢は完全に埋まっている。ここで左の杉(檜)林の斜面に取り付くが、斜面が急であり、その上に土が崩れやすく歩きづらい。息を切らしながらやっとピークに出ると、北東に木の間から赤白に塗られた鉄塔が見えた。私としては鳴蟲山の東から登ったつもりだったので、当然鳴蟲山は西になければならない。確かに木の間から西には三角錐の東が伐採された山が見える。しかしそれにしてはやや遠く感じられる。道はないしどうにも出来ず、今日はここで引き返すことにした。下に着いて再度落ちついて考えれば古い地形図のため、記載されてない送電線があっても不思議ではなかった。入った作業道は塩沢へ通じる林道より尾根を一つ東に越した所から山へ向かっている。

再度挑戦
 上久我の馬返地区の東の外れにあるバス停から1.4キロで林道(作業道)入口に着く。今日も作業道を最後まで行って東の斜面に取り付こうと思っていた。しかし100メートル程歩くと右斜面に「北栃木幹線123号鉄塔」と書かれた黄色い杭が倒れていた。前回は林道にばかり目が向いており全く気がつかなかった。違った方向へ行っても困るとも思ったが、山頂にも鉄塔があったのでここから行ってみることにした。階段状にしっかり造ってあり斜面をジグザグに登るようになっている。直接斜面を歩いてもいいがやはりジグザグ道の方が歩きやすい。周りは檜の林だが、晴れているせいか明るく感じられる。


 尾根に出るとそこにも杭が立っている。ここからは尾根をはずさないように行けば山頂へ行くだろうと安心する。尾根には踏跡と言えばそうかなと思える程度の場所であったが、少し歩くと階段状に造った鉄塔への道が現れた。「こんな尾根にまで造ることもないだろう」と思うが、作業道具を持っての荒れた尾根歩きは大変なのかも知れない。作業道は歩きにくそうな尾根のピークをはずして、なるべく緩やかに造ってあり、急斜面ではジグザグに登って行く。東の斜面は広葉樹であるが木々の間からの眺めはない。

 しばらく行くとここでも目の前の斜面を登らず、左側を巻いて作業道が続いている。やや急登になってから目の前が開けてくる。正面の上方には鉄塔が見えた。鉄塔までの周囲は広く伐採されており石裂山・東には二股山方面が遠くまで見渡せる。鉄塔のない頃はまるっきり展望はなかったろうが、今は鳴蟲山側を除いて展望はすばらしい。伐採後は檜が植えてあり50センチくらいに育っていた。鉄塔のやや先からは赤白の鉄塔の上部が見える。鉄塔には「123号・H.8.5・100M」と書いてあるので、3年弱前に出来た鉄塔なのだろう。私の持っている地形図はそれより何年も前の物だった。


 123号鉄塔を数十メートル過ぎると再び植林された尾根に入る。直ぐに東が開けた場所を通るり赤白鉄塔と鳴蟲山がよく見えるが、またすぐに林に入ってしまう。ここからも尾根を通らず左斜面を巻いて道が出来ている。ちょっとした鞍部に出ると正面は岩が露出した切り立った場所になるが、道は右の斜面に迂回して先に続いている。正面の岩を越えても行けるだろうが初めても場所柄、道に従ってみることにした。左に尾根を見ながらやはりジグザグの道を登っていくと、明るく見えた東からの尾根に出る。尾根に出てみると鳴虫山の東に赤白の鉄塔があり、そこから東の周りに見える場所がきれいに伐採されている。すぐしたには林道が出来ていた。どこから来ているのかと林道の先を追ってみるが、東の方からとしか分からない。またこの尾根には下から電柱が続いてきて、さらに左手の赤白鉄塔まで行っている。

 伐採された山肌を登って行くと数分で鉄塔の所に出る。北側と東の眺めがすばらしい。下には鹿の糞が頻繁に落ちている。こんな場所に鹿がいるのか。鉄塔からは自然林の中を歩き2分で山頂に着く。登るとまず石の祠が3つ(単位が分からない)出迎えてくれる。右横の木には「鳴蟲山KUMO」の標識が括り付けてある。数メートル先に三角点があり、山頂自体は東西に長い狭い場所である。山頂標識はKUMOのみだった。マイナーの山だから物好きでもなかったら登らないだろう。山頂の南は自然林で所々にツツジらしき木が見えるので、時季によっては花が眺められるようだ。西からはしっかりした踏跡が登ってきている。祠には御神酒が供えてあったので地元では登っているのか。


 帰りは巻き道を通らず尾根上を行って見ようと、赤白鉄塔を過ぎてすぐに藪の中へ入ってみた。そこには小さな石の祠があり、急斜面であるが踏跡らしきものが確認できた。少し下ったが踏跡は全く分からなくなり、引き返して作業道に戻った。途中で年輩の作業員が2人登ってきたので、しばらく話をしているうちに鹿の話になり、やはりこの辺りにも鹿が居て悪さをして困っていると言っていた。悪さというのは食害なのだろう。

林道入口 11:27(0.27)11:54 123号鉄塔 12:07(0.33)12:40 山頂 13:16(0.23)13:39 123号鉄塔 14:06(0.16)14:22 林道入口

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