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要害山(780m) 三角点無し  甲府市
平成28年(2016)11月17日  晴

 甲府駅から武田神社までバスを利用する。時間短縮に積翠寺バス亭まで行きたいが、午前中は11時39分しかない。神社からひたすら登り口のある要害温泉まで車道を歩く。神社裏手からずっと要害山が見えている。山としては大したことはないが、武田氏三代の要害山城址として有名。また南東の小尾根に熊城址(要害山城の支城とある)がある。積翠寺を過ぎれば右に要害温泉の建物が見える。
途中から市街地を 標識は左に、右へ進んでも可 要害温泉


 要害温泉を右に見て、少し進んで道がカーブした先に、要害と書かれた表示が目に入る。仲川を渡り要害温泉敷地へ入る。渡った先に案内板、要害山城址碑と登り口がある。案内板では根小屋地区から道が登ってきているが、本来の道だったのだろう。すぐに石垣が現れるが、後世の積み直しかも知れない。斜面をジグザグに登って行く。
仲川に架かる橋と目立つ標識 右奥へ登る 石垣の趾


 先にも所々石組みが見られるが、当時のままかは分からない。甲府市自然休養林と銘を打っているだけあり、赤松と落葉樹が多くを占めていて、明るい山である。山は程よく色づいている。登るにつれて竪堀跡、土塁跡、最初の門跡などが現れる。堀跡は草木が多く、分かりづらい。
登り始めの頃の風景 最初の門趾表示 土塁・竪堀の表示


 不動曲輪が現れる。表示がなければ草が多いときは分からないかも知れない。先の左奥に武田不動尊が祀られて、曲輪名の由来らしい。さほど広くない曲輪だ。ここからの眺めが良いと記憶していたが、木々が多く、霞んでいるので市街地側は白っぽいだけの遠景だった。葉を落とした後なら、もう少し良い眺めかも知れない。
不動郭入口 武田不動尊と不動郭 不動郭から市街地側


 不動曲輪を過ぎてだと思うが、武田神社の東にある竜華池が微かに見えた。機能していた頃は躑躅ヶ崎館周辺が良く見えたのではないか。曲輪跡・門跡が幾つも現れ、所々で紅葉が見頃になっている。
城内最大の門の表示あり 主郭手前の曲輪への門跡 門跡辺りの紅葉


 両側が高くなった土塁の切れ目(虎口)、門跡から主郭部へ入る。平坦で広く、通常本丸と呼ばれる場所なため、周囲の土塁も高く周りを囲んでいる。武田信玄誕生之地の碑と、右に山梨100名山・要害山の標識が建つ。この辺りの木々の色づきも陽が射して美しい。北東の門跡(虎口)の搦め手に向かう。
主曲輪への入口 虎口から本丸 東側の土塁

山頂標識 武田信玄公誕生之地の碑 北東の入口(搦め手虎口)


 北東の門跡(虎口)が出てすぐに掘切が尾根を分断している。竪堀も数ヶ所あったようだ。尾根上に土塁を備えた門跡があり、搦め手側を固めている。道が尾根を通らず、北東へ向かうとやや眺めが良い。道の両脇には土を掘り返した跡が続くが、猪の仕業だろうか。またピークの南東側を通れば、標高787mのピークの下を巻いて行く。実際このピークと城跡の主郭ではどちらが何メートル高いのか分からない。地形図では同じ780m等高線である。南東には支城の熊城址の尾根が目の前に見える。
分かりづらいが主郭下の堀切 北東側の眺め 手前が東南の熊城のある尾根


 やや登り加減になると、県道と深草観音への分岐に着く。直進し左へ下れば県道31号(甲府山梨線)に向かうが、右に折れ深草観音へ向かう。
明るい尾根 県道と深草観音分岐 分岐 標識


 植林地になった斜面を水平に進む。道が直角に曲がれば尾根に出て、尾根を越して直進すれば深草観音・岩堂峠へ下る。整備された道はないと思うが、熊城址を通り下る事に決めていた。
植林地を水平に進む 尾根に出た場所、土管が目印 この尾根を下る


 南西向きの尾根を下る。細い尾根は木々が多いが歩きやすい。途中では要害山城主郭辺りが見える。尾根上は獣道になっているようで、鹿の爪痕、糞が目立つ。他に熊の糞ではないと思うが、猪あるいは貍のものなのか、数ヶ所見かける。一部小さな支尾根が分岐し分かりづらいので、南に下らないようにしたい。深さ5〜6m以上はある堀切があり、土橋はなく木に捕まりながら下り、登り返す。3ヶ所現れるが、どれも同じような深さ・大きさで、2ヶ所目の上は主郭と思え、石組み・土塁らしき遺構もあるが、狭く平坦さを感じない曲輪跡である。
少し下った場所の尾根 要害城主曲輪の高みか? 最初の堀切

大きな堀切周辺の風景 段状の曲輪 3番目の堀切


 更に尾根を下れば樹間から要害山城が見え、木々の途切れた場所では根小屋方面が眺められる。下るにつれて多くの石組跡が見られ、斜面を何段にも平坦にした跡が分かる。要害山城と熊城の間の沢、水手沢(ミズンテサワ)沿いに出ると、すぐに林道に出る。ここから入るには、踏み跡が薄く、地図がないと分かりづらい。
要害城主曲輪 根小屋方面を 石組の一部

岩が多い、崩れた石垣なのか 散乱している石 林道、中央左から下りてくる


 すぐ下に水道施設、隣に山神宮、その先左に車沢川に架かる橋が現れる。橋先右手の公衆トイレを過ぎれば、根小屋の集落におりてくる。日吉神社を過ぎ、集落の道をしばらく行けば、甲府山梨線(県道31号)に合流する。武田神社の紅葉を眺め、帰路につく。
右が水道施設、先が根小屋 山神社 日吉神社

根小屋辺りから 西曲輪の北虎口付近 西曲輪土塁と東曲輪の境


武田神社 10:30(0.45)11:15 登山口 11:21(0.26)11:47 不動曲輪跡 11:51(0.11)12:02 山頂 12:17(0.17)12:31 県道分岐 12:33(0.06)12:39 熊城取り付き尾根 12:53(0.49)13:44 林道出会 13:44(0.36)14:20 武田神社 

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