九鬼山(969.9m) 二等三角点 大月市/都留市
平成29年(2017)4月20日 晴れ
禾生駅までに富士山が見え、珍しく青空に映えている。駅ホームをつなぐ架橋から、終わりかけた桜の先に富士山が眺められる。駅を出て左の富士みち(国道139号)を大月方面に向かう。中年のご夫婦らしき人が先行して行く。右手にレンガ造りの落合水路橋が見え出す。朝日川に架かる落合橋を渡った先を川に沿って右に入る。[登山道]と書かれた標識が付けられている。
禾生駅の架橋から |
禾生駅正面 |
落ち合橋を渡った先を右に |
  
先の水路橋を潜り道なりに行けば丁字路になり、右が九鬼山への杉山新道、左は愛宕神社経由の登山道になる。右端に十二体の石仏が祀られている。この辺りから高川山が大きく見える。左に進んだ20メートル先に、右に入る細い道がある。神社経由コースはここを入る。
水路橋を潜った先から |
丁字路の標識 |
中央の狭い道が登山道 |
  
神社コース入口から50メートルで民家が終わり、愛宕神社の鳥居が現れ、奥に社殿が建っている。登山道は神社右を直進する。[熊出没注意]の表示があり、鈴を付ける。舗装もここで終わって鬱蒼とした植林地の中を行く。しばらくして斜面の西に巻くと眼下にリニア実験線が見え出す。
愛宕神社 |
神社から先の植林地 |
眼下にリニア実験線が見える |
  
長く抉れた道が続くが、終われば植林地、自然林、混合と何度か変わるが、特筆すべき変化のない道を登り続ける。植林地の陽当たりの良い所に [マムシグサかテンナンショウ] 似の植物が咲いている。
  
樹間から都留市街地、富士山が見える頃に尾根(田野倉分岐)に出る。左は田野倉駅へ、右が九鬼山へ続く。高川山と下にリニア実験線、視界が開けた先には富士山がくっきり見える。
  
尾根を右へ行くと、明るい自然林から植林地に変わる。下にもあったヤマブキが遠くからでも目立つ。直ぐに[これより急坂 要注意]と標識があり、急な斜面が始まる。短いジグザグを繰り返しながら標高をあげる。途中で[急坂登山道・新登山道]の標識があり、新登山道はよく寺社で見かける男坂・女坂の違いかと思ったが、横の急坂登山道を見た限りでは、少々抉れて荒れた直線を回避するためのようだ。
これより急坂の標識と急坂 |
急坂と新登山道の標識 |
落葉の多い急斜面 |
  
急坂が終わり緩やかになった場所に、[眺めよし天狗岩 3分]と標識がある。3分ならと右の斜面を水平に巻いて行くと、2分も掛からず岩が二つ露出した場所に出る。遮る物はなく都留市街を含め遠くまで見渡せ、[眺めよし]と、謳っているだけある。天狗岩分岐まで戻り山頂を目指す。細い枝だが種類不明の白いサクラが可憐に咲いている。
天狗岩の標識 |
眺めよし天狗岩から |
山頂への最後の道風景 |
  
天狗岩から20分強で開けた山頂に飛び出す。杉山新道がどの辺りから来ているのか気付かなかった。何だか確認しなかったが、山頂に出た左の木にポスト風の箱と、下に木製の家風な物が置いてある。駅で会った人ともう一組の男女が先着していた。一組は私の来た方へ下って行く。駅からの人は猿橋駅までと言い下っていった。秀麗富嶽十二景だけあり富士山の眺めは良いが、木立の間から見える程度。まだ霞んでいなかったのが幸いした。また大菩薩嶺側から扇山・百蔵山方向まで見渡せる。私から10分遅れて母娘と思える二名が来たが、写真を数枚撮って、やはり猿橋に向けて出発して行く。静かな山域と書いてあった気がするが、平日でも結構出会う。
  
富士山アップ |
実際は木立の間からの富士山 |
ポスト風の物と小屋風な物 |
  
急斜面を降りる。土が乾き滑る場所を下れば狭い尾根を歩くが、岩の露出した場所などがあり変化に富んでいる。右に高畑山方面が樹間から見えている。所々に木は小さいが、色のやや濃い
[桜:種類不明] が咲いている。
狭い尾根 |
高畑山方面が樹間から |
岩の露出した登山道 |
  
しばらくして朝日小沢・諏訪神社の分岐に着く。朝日小沢へは右後ろに下る道があるが、見る限りあまり歩かれていないようだ。馬立山へは尾根を外れ左に下る。地図にガレ場と記載がある通り、急斜面をトラバースするように付けられた道で、右下は深く落ち込んでいる。狭い上に落葉、倒木など通行には注意を要する。一部に虎ロープが張られている。
馬立山・朝日小沢分岐 |
置いてある標識 朝日小沢へ |
急斜面をトラバース |
  
長い斜面を過ぎると尾根に出て、広い平坦地に着く。眺めの良い開放的な所だ。傍らに [ヒトリシズカ] が小さな花を咲かせている。先には二基の使われてない鉄塔が建っているが、道はその尾根を行かず左を巻いて進む。何度か左・右と変わって、周りが植林された尾根になり下れば、田野倉駅分岐に着く。田野倉駅は左前方向に下り、馬立山は尾根を直進する。
開放的な平坦な場所 |
二基の鉄塔 |
分岐 田野倉は左前方へ |
  
下り加減になると真下に札金峠が見えてくる。切通しを上から見ているようで、左右の道は谷筋の様に下がっている。何故か熊手が立てかけてあり、そこに古い標識に[札金峠・札金鉱泉・朝日小沢]と書いてあるが、朝日小沢への道は山の地図では破線すら記載がない。馬立山は反対斜面を登り返す。道はジグザグを繰り返すが、登り始めて直ぐに直進する踏み跡があり、迷う事もありそうだ。途中から自信はないが、歩くコースの沢井沢ノ頭・御前山と思える山が見えている。まだ少ないが、ミツバツツジが紫の花を咲かせている。数株の [フデリンドウ] も足元に見られる。
切り通し風な札金峠 |
斜面を登る |
沢井沢ノ頭方面の稜線 |
  
札金峠から約130m登り、33分かかって760mの尾根上に出る。振り返れば九鬼山が見える。先行する人達が休憩している。自然林の明るい尾根を東に進むが足元に露出した岩が多く歩きづらい場所もある。
約760m地点の尾根 |
尾根から九鬼山を振り返る |
露出した岩が多い |
  
10分で馬立山(797m)に着く。芽吹き始めた木が多く邪魔されるが、それでも樹間から周囲は眺められる。一人の同年輩男性に追いつかれたが、メモだけとって下って行く。下りの斜面は見ただけで急なのが分かる。
  
直ぐに急斜面をトラバース気味に歩く。ロープも付けられているが慎重に足を運ぶ。九鬼山からの下りに似ている。斜面から尾根歩きになり、小さな瘤のようなピークを三つ越え、四つ目が沢井沢ノ頭(約740m)であった。一応はピークなのだが、標識がなければ通過してしまう。傍らに一瞬カタクリと思ったが、葉が全く違う
[イカリソウ] が一株咲いている。
急斜面をトラバース |
沢井沢ノ頭 |
沢井沢ノ頭にある標識 |
  
沢井沢ノ頭を下って直ぐに菊花山経由の大月分岐がある。御前山は菊花山とは反対斜面に進む。左の視界が開けて岩殿山が眺められる。やや登りで左斜面に保護された檜の苗木が見えてくる。正面上部に岩の先端が見える。
菊花山経由の大月分岐 |
中央に岩殿山 |
檜の苗木にカバーが |
  
尾根を登った先で岩が行く手を遮っている。登山道は岩の右に付けられており、見上げれば岩が迫ってくるようだ。岩を過ぎた所を見ると、岩場からの踏み跡が確認出来るので、上を通っている人がいるのかも知れない。斜面近くに
[ジュウニヒトエ] が数株咲いている。次のピークの手前に大月駅への分岐が現れる。
巻き道が合流した場所 |
大月駅最後の分岐点 |
分岐の標識 |
  
分岐から登れば御前山の分岐標識があり、御前山は右の高みに登る。分岐からは分からないが山全体が岩で出来ているようだ。山頂の端から下を覗けば、断崖の上に立っている。扇山・百蔵山、高畑山・倉岳山方面、秀麗富嶽一二景に選ばれており富士山も眺められるが、すでに霞んでしまい薄ら見える程度。但し秀麗富嶽の表示板はあるが、何番と記載なしで、大月市等のパンフレットにも載っていない。しかし最近の大月市HPには十番として載っている。地理院地図に山名はないが、十分に納得出来る。
山頂は岩だらけ |
扇山が見える |
右奥に富士が霞んで見えた |
  
御前山からはザレた滑りやすい場所がある。尾根を下りきると神楽山分岐に着く。猿橋駅は左に下り、神楽山は尾根を直進する。数分で神楽山(673.8m二等三角点)山頂に着く。家の屋根に載っていそうな形のアンテナが脇に立っている。周囲の木々に遮られ見晴らしは効かない。九鬼山下辺りでは蕾だったヤマツツジが開花している。
神楽山・猿橋駅分岐 |
分岐標識 正面の高みが神楽山 |
右にアンテナ |
  
分岐まで戻り猿橋駅に向かう。かなりの急坂で滑り易い場所もあるが、危険な所はロープが張ってあるので慎重に下れば問題ない。山桜の大木が頭上を覆っている所があり、右手に百蔵山、手前に桂台の住宅団地が見え出すと、急坂は緩み植林地に入って行く。上では見なかったバラの一種が咲いている。
  
杉林を過ぎ篠竹の間を数十メートル通り抜ければ、疑似丸太の手摺りが現れる。下に車道が見え、右の視界が開けて猿橋駅方面が一望できる。車道を道なりに進み、トンネルを越えた先で右折すれば、駅南口へ入る交差点に着く。馬立山を最後に誰にも会わないので、やはり静かな山域なのかも知れない。
  
禾生駅 8:16(0.14)8:30 愛宕神社 8:30(0.43)9:13 尾根(田野倉分岐) 9:19(0.38)9:47 天狗岩 9:50(0:21)10:11
九鬼山頂 10:36(0.12)11:05 広い平地 11:05(0.11)11:16 田野倉分岐 11:28(0.04)11:32 札金峠
11:32(0.33)12:05 760m尾根 12:05(0.11)12:16 馬立山 12:35(0.14)12:49 沢井沢ノ頭 12:50(0.24)13:14
御前山 13:24(0.13)13:37 神楽山分岐 13:37(0.04)13:41 神楽山 13:46(0.02)13:48 神楽山分岐
13:48(0.33)14:21 車道合流 14:21(0.10)14:31 猿橋駅
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