滝山城址 散策 八王子市
平成30年(2018)7月10日 晴れ
北条氏照が八王子城へ移る前の城で、自然地形を活かした平山城の遺構が良く保存されている。八王子駅北口から滝山城址下バス停まで行く。案内ではここからの道が大手口で、この坂は天野坂と載っている。民家が終われば散策路らしくなり、木立が鬱蒼としてくる。
滝山城址下バス停 |
滝山街道からの入口 |
民家を過ぎて |
  
緩い上り坂の両側が高い堀底を歩くのだが、車の通行のため拡張工事で多少変わっていると思われる。右奥に赤い社がある所も平坦地だが、曲輪跡に思える。少し先で最初の案内がある。左手は小宮曲輪、間は空堀がめぐっている。堀は大分埋まっているが小宮曲輪が高く見える。
  
案内の先には枡形虎口跡が見え、右手が三の丸になっている。三の丸と手前の曲輪の間は空堀で隔てられている。今は直線で道が付けられ想像するしかない。先には山の神曲輪への園路があるが、今日は中心部だけにする。
先に見える虎口 |
三ノ丸手前の空堀 |
虎口先にある標識 |
  
山の神曲輪分岐場所には小宮曲輪の虎口の案内がある。曲輪内に少し踏み込んでみたが、笹・下草・樹が生い茂り現状が分からない。また虎口方向は関係者以外は園路ではなく通行禁止。
小宮曲輪の案内 |
小宮曲輪虎口跡(左方向) |
小宮曲輪内 |
  
小宮曲輪の反対の高みが三の丸で、小宮曲輪同様に内部は分かりづらい。案内板には手前の虎口は消滅、奥の虎口跡は記載されているが、草が多く判断しづらい。踏み跡を頼りに先へ行くと、囲んでいる空堀が想像以上の大きさだった。
  
三の丸端からコの字型土橋が現れる。敵を直進させず4回向きを変えさせ、側面攻撃をする工夫と説明している。数回の折れ曲がりを過ぎれば、千畳敷の標識が見え出す。
コの字型土橋の案内 |
何回か折れる土橋部分 |
千畳敷標識 |
  
標識場所から千畳敷内へ入れるが、本来の虎口なのか、虎口なら簡単に侵入されそうだが。曲輪内は広い草地になっており、端にはベンチも設けてある。北端からは写真では高低差が分からないが、20m位下に弁天池跡がある。案内に池側に虎口があり数段の曲輪が載っているが、危険なため先は進入禁止になっている。
  
千畳敷東には角馬出が設けてある。他の馬出に比べ、曲輪内に馬出があるように見える。東側の土橋前を防御している。虎口側から眺めても草が多く遺構が分かりづらい。傍に二の丸馬出に向かう標識がある。
  
先では丁字路になり正面・右手は二の丸、右に向かえば二の丸馬出経由で信濃曲輪へ、左は中の丸・本丸へ向かう。標識裏の二の丸も、三の丸同様に樹木・草などに覆われている。二の丸と中の丸の間も大きな空堀で隔てられている。
  
すぐに中の丸の枡形虎口跡に着く。高さのある土塁が遺っている。曲輪に入って右にトイレ、北側に建物、その裏手に休憩所がある。休憩所からは多摩川越しに拝島方面の眺めが良い。
  
本丸へは木橋が架けられいる。引き橋だったとの案内書があるので、敵の侵入時は渡れない構造だったようだが、発掘では現在より下に架かり、中の丸の高さではなかったようだ。下は大堀切りで城内最大と思える。下れば滝集落へ向かうと記されいる。渡れば枡形虎口になっており、右手は一段高くなり霞神社が建っている。
  
霞神社裏は下段に比べ、細長い為かやや狭く感じられる。北側に金毘羅社が建っており、鳥居の先は階段で大堀切りから登れる。中の丸よりやや左の拝島から福生辺りだろうか、展望が良い。
  
本丸の北・西側辺りは幾つもの帯曲輪があり、金毘羅社裏手から滝集落への道が載っている。下段の周囲には土塁がよく残る。井戸跡を覗いてみたが、暗く底が見えないような深さだった。
  
ほぼ正方形の下段の東端に滝山城跡の碑が建てられている。また南枡形虎口が設けられ、良い状態で保存されている。虎口から西への道は関係者以外進入禁止。東に下れば木橋下手前に合流する。二の丸へ向かえば、10m右下に大きな曲輪がありベンチも見える。
  
丁字路まで戻り直進する。二の丸の間を通る道は堀とあるので、もう少し深く、曲輪との高低差があったのか。進むと左に直角に曲がった先が、土橋と東馬出になっている。南の土橋を過ぎれば行き止まりの曲輪・馬出の案内がある。
二の丸内 園路 |
東馬出の土橋部 |
行き止まりの曲輪 案内 |
  
行き止まりの曲輪に向かわず信濃屋敷(曲輪)に寄ってみた。ベンチが設置され木陰で休憩には良いが、やはり小宮曲輪・三の丸同様草木で覆われている。信濃屋敷跡の先が刑部屋敷(曲輪)跡で境目には土塁と思われる高さで仕切られている。少し先には池跡等があるようだが、二の丸へ戻る。
正面方向が行き止まりの曲輪 |
信濃屋敷(曲輪)跡 |
信濃屋敷境の土塁 |
  
二の丸との空堀沿い行き止まりの曲輪を先に行くと土橋になる。行き止まりとあるが先へは行ける。
二の丸馬出の案内 |
空堀と左奥の二の丸 |
大馬出への土橋 |
  
左一帯が大馬出で先が南馬出への土橋、土橋から直進すれば千畳敷方面に、右折すれば二の丸内に入る。二の丸内は下草が少ないが、他の曲輪と大差ない風景だ。横切り再度東馬出から回り込んで、大馬出・南馬出経由で千畳敷へ戻る。
  
南馬出から二の丸西の空堀沿いを千畳敷の分岐に向かう。草が無ければ堀が見応えありそうだ。分岐手前の左下は自然の谷に手を加えたように見え、千畳敷と園路を挟んで南にある平坦地(曲輪)の背後を守っている。ここから滝山城址下バス停へ戻る。堀・土塁などを見るなら、草が枯れ、木々が葉を落とした時季が良い。
南馬出から千畳敷への道 |
千畳敷手前の右手の堀 |
千畳敷手前の左手の堀 |
  
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