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 雛岳(1240.9 m)   青森市
 平成19年(2007)8月27日(月)晴 参考地形図 八甲田山

 地味な山のようで、あまり登る人はいないようだ。普通なら私たちも登らなかっただろうが、ツアーに組み込まれているので登った。昨日のハイキングで足に思った以上の負担があったため、夕食後、山荘の人達に聞いたところ、山頂からの眺めはすばらしく、また山麓のブナ林は一見の価値があると言われた。山荘から外を眺めれば、曇り空、加えて明け方まで降った雨で道路は濡れている。前日と同じく「ブナワールド」に集合し、佐倉市のT夫婦と4人での行動になった。ガイドは28歳の明るい、元気なお兄さんだった。ガイドの話として、雨で登山道がぬかるみ、下りが危険な山であると言う。天気と登山道の状況を現地に行き考慮して、他の場所へ行くか決めることになった。


 八甲田の東側に回りこむように車は走る。登山口に近くなると、曇り空が明るくなり、陽も射すようになった。ガイドは「予定通り雛岳に行きましょう」と言った。田代高原箒場(ホウキバ)にある店の裏手から歩き始める。駐車した辺りからがブナ林が続いている。来る途中のブナ林は広い範囲で葉がなく、中には枝が薄赤くなっている場所も見られた。説明ではブナの葉だけを食べる蛾が大量発生した被害跡で、赤っぽく見えた木々は新芽の時の色らしい。春に芽吹くが、食べられてしまい仕方なく葉を出すのだそうだ。しかし秋には活躍しないまま落ちてしまう。


 大部分は細いブナで、所々に数百年単位のブナが見られる程度の林だ。人の手の入っていない林らしいが、密生しているためあまり太くなれないらしい。5月の連休時季がいいらしい。残雪の白にブナの新緑の淡さが何とも言えない美しいとのことである。また来てみようと思わせるうまい説明もあるが、確かに感動する美しさだろう。殆ど平坦な道を進み、やや登っていると思うころ5合目を通過する。夜から明け方にかけての雨でのぬかるみはなく、何の心配もいらなかった。昨日同様、私たち夫婦は遅れがひどく、他のメンバーに迷惑をかけっぱなしだ。特に今日は私より妻の方が早く歩いている。更に登り始めた頃に1時間強で仙人岱と山頂との分岐点6合目に到着。しばらく休憩し出発する。


 ここまでは等高線に沿ったような登りだが、これより山頂に向かって一気に登って行く。気がつけば植生も変わってブナは目に入らず、5合目辺りが限界だったのか。7・8・9合目と通過するが、特に7合目から8合目が一番きつい登りで、笹を刈って整備してあるが、刈った後の茎に足を乗せると滑りやすい。帰りの方が慎重になる勾配だ。木々の低くなり空が見え、開放感が出始めると山頂であった。山頂はハイマツ帯で標識と三角点らしき(南面に字がない)標柱が埋まっている狭い場所である。ガイドはこの先10m先に案内をした。座る場所は5人でも狭そうだが、展望は山頂より適している。遮るものがなく、赤倉岳・井戸岳・大岳、さらに目の前に高田大岳が、南八甲田、青森市街地などが見渡せる。昨日晴れていれば、標高の高い大岳なら更に良かったろうと、全員が残念がる。


 渡された弁当を食べ下山する。下り始めてすぐに木々が高くなり周囲が見えなくなる。急な勾配に気を遣いながら下る。ガイドが言うように雨の後なら滑って危険なため、時間がかかりそうだ。6合目に着けば歩きやすい道になる。私と妻も平坦に近い場所で、それも下っていれば他のメンバーに迷惑にならない。女性達のために入口の店で休憩をする。店の主人の話では、この辺りは雨らしい降りではなかったらしい。集合した「ブナワールド」まで送ってもらい解散した。

ガイド付き時間
登山道入口 9:05(1.11)10:16 6合目 10:23(1.04)11:27 山頂 12:09(0.50)12:59 6合目 13:10(0.56)14:04 登山口

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