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箱根路(5)
明神ヶ岳(1169.1m)・明星ヶ岳(923.9m)
平成19年(2007)10月28日(日)快晴  参考地形図 関本

 土曜日は台風20号の影響で雨が強く、早めに宿泊先へ入り何処へも出かけず仕舞いだった。テレビでは台風は速度が速く、日曜は全国的に晴れと予報している。予報通り日曜は朝からすっきりとした青空となり、絶好のハイキング日和となった。朝早くから出かけたいのだが、ホテルの朝食開始時間が7時からであり、結局チェックアウトしたのが8時半を過ぎてしまった。強羅から仙石方面のバスは本数が極端に少なく、一度宮ノ下方面に戻って乗り継ぐか、タクシー利用となってしまう。仕方なく奮発してタクシーを利用することにした。強羅駅前から金時山登山口まで2180円、結構お金がかかったが、時間的にはかなりの短縮になった。一般道で9時位だったが、運転手の話だと車はやや多かったらしい。窓から幾人かのハイカー姿を見た妻は今日は人が多そうだね、と感想をもらしていた。

 しっかりとした案内版もあって間違うことはない。直線道路わきの民家・民宿などを通り過ぎると、やや左に曲がってすぐに、右の山側へ入る登山口がある。昨日降った雨の影響は殆どなく、スパッツ装着のようなことはなかった。しばらく歩けば開けた矢倉沢峠に着く。傍らに、うぐいす茶屋なる建物があったが営業はしていない。他のハイカーに聞いてみると、何年も前から閉めているのだそうだ。うぐいすの「す」が落ちた看板があるので、ある程度の年数が経過しているのは確かだ。138号線からも金時山は眺められるが、峠からは少し大きく見える。箱根の自然の木々はあまりきれいな紅葉ではないが、金時山山頂近くは赤みがかっており、後2週間くらいあればもう少し見応えがあるかもしれない。
金時山登山口・矢倉沢峠へ 道路から山道への入口 峠の茶屋前から金時山


 茶屋の脇を抜け、いくつかのピークを登り下りする。尾根上を歩くようになっている。背の高い篠竹が密生しており、その中を歩く場所が多い。ピークに登る途中などで振り返ると、金時山と長尾山の間から富士山の頭が眺められるようになる。日に輝いて久しぶりの感動を覚える。初めは富士山の頭がやっと見える程度だが、登り下りを繰り返し徐々に高度を増すにつれ、富士山も肩・上半身?と見え出す。篠竹が目立たなくなり、木々が混じってくると右斜面を見上げるようになり、北の斜面を歩く。しばらく林の中を進むと前方が急に開ける。正面には明神ヶ岳の大きな山容が眺められる。脇には火打石岳の名前と由来が書かれた標識がある。火打石岳の高みに向かって下草などがきれいに刈り込んである。上には何か標識などがあるのかと思い登ってみたが、上部の平らな部分を少し刈り込んである程度であった。何の為の刈り込みかと思いながら戻ったが、ここから明神ヶ岳方面を眺めて気がついた。今立っている周辺は防火帯であって、明神ヶ岳方面に幅の広い防火帯が続いている。逆に矢倉沢峠方面に向かう防火帯を延ばす作業跡らしい。いつ出来上がるか分からないが、山頂の北をまかないで火打石岳山頂部を通れる日が来るかも知れない。
篠竹の生い茂った道 明神ヶ岳方面から金時山 火打石岳標識



火打石岳から明神ヶ岳方面 稜線中央にアンテナ トリカブト

 明神ヶ岳方面はほぼ防火帯通りに歩く。さほど急ではない道を行くと、足柄側が一気に開ける。富士山の右裾野から丹沢の山並み・南足柄市等々、遠くは雪を被ったアルプスと思われる山々が一望できる。明神ヶ岳山頂辺りには登山者が何人もうごめいているのが見える。もう少しで明神ヶ岳山頂と言うところで、妻は休憩をすると言い出した。山頂へ行っても人が多そうなためここで休憩してしまった。目の前にアンテナ(反射板)が設置されているが、鉄骨は錆び、反射板らしきものが外れそうなのもあるため、動作しているようには見えない。
富士山が大きく 南足柄市方面 奥に見えるアンテナ


 軽い昼食にして出発。10分程度で明神ヶ岳山頂へ到着する。山頂部は平坦でかなり広いが、土がむき出しで荒れた感じがする。思っていたほどではなかった人数を見て、眺めの良さからか、やっぱりここで休憩すれば良かった等とガッカリし、後悔していた。東側に寄れば小田原市街地から相模湾が一望できる。なかなかここまでスッキリ見えることはない。
明神ヶ岳山頂から 明神ヶ岳山頂から 明神ヶ岳から小田原方面


 30分強の時間をかけて下ると、その先はまた防火帯となっている。右に下れば宮城野へ下る鞍部となっている。時間の余裕があるため明星ヶ岳へ行くことにした。幅広く緩やかな防火帯が続いている。ほぼ真っ直ぐに登ってきた防火帯は直角ぎみに左に折れると、すぐに宮城野へ下る分岐点がある。明星ヶ岳は数分直進した所である。山頂部と思われる場所には、山頂名を書いた標識と、やや高くなった左手に御嶽大社(最後の社は不確実)と彫った石版があり、前に木製の小さな社が祀られている。矢倉沢峠を過ぎた頃から軽いアップダウンをする登山道に向かい、「せっかく登ったのになんで又下がるんだあ」と幾度となく絶叫していた妻が、塔ノ峰に行こうとするのには少々驚いた。確かに余裕があれば塔ノ峰経由で塔之沢へ行きたかったが、塔ノ峰で暗くなってしまうため、時間配分などを説明し戻って宮城野へ下る。
宮城野分岐標識 明星ヶ岳手前の宮城野分岐標識 明星ヶ岳 左に社がある


 宮城野へ下り始めて右斜面の開けた場所に出る。その場所が大文字焼きをするところであった。傍らには一辺が108m等々書かれた案内がたっている。斜面を見ると大の字らしい跡がうかがえるが下草が多く、らしい程度だった。この道は最初から最後まで段差が大きく、荒れた急な道だった。ここ下るのも大変だけど登るのも大変だねと、妻がポツリ。案内地図にも傾斜がきついので登りはハードと記載されいる。参考時間をオーバーして舗装道路に出る。距離は短いものの、意外に時間が掛かってしまった。宮城野バス停まで、本のコースタイムは15分となっているが、軽く20分は掛かってしまう。待つ間もなく小田原行きのバスが来る。
「大」の字が不鮮明 傍らのリンドウ 分からない


 宮ノ下で1号線と合流する辺りから車の進みが悪くなる。運転手は小田原まで1時間半はかかりそうなので、お急ぎの方は宮ノ下で降り、登山電車に乗り換えるようアナウンスしている。5・6人降りる人達に混じり私たちも宮ノ下で降りた。ここには温泉シチューパンで有名な渡邊ベーカリーがあるとのこと。富士屋ホテル前を過ぎ、1号線をやや歩いた場所にある。洋風の小綺麗なイメージがあったが、昔からある日本的なお店だった。売り切れるのが早く、すでに無いものと思っていたが、意外にもまだ売っていた。おいしいと言う妻だが、もう少しシチューが入っているといいのに、等と言っている。少し物足りないらしい。コーヒーを飲みほし、宮ノ下の駅に向かう。駅は道路から相当高い場所にあり、駅舎まで坂道を歩く。無人駅のため切符は電車に乗り込んでから、車掌から買うとなっているが、結局湯本まで来なかった。1号線は変わらず渋滞である。

金時山登山口 9:25(0.37)10:02 矢倉沢峠 10:15(1.23)11:38 火打石岳案内板設置場11:54(0.53)12:47 アンテナ直下 13:09(0.11)13:20 明神ヶ岳 13:26(0.35)14:01 @宮城野分岐 14:01(0.42)14:43 A宮城野分岐・大文字 14:43(0.03)14:46 明星ヶ岳 15:07(1.00)16:07 明星ヶ岳登山口 16:07(0.20)16:27 宮城野橋バス停

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