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尾瀬ヶ原散策
平成18年(2005)6月4日(日) 晴

 水芭蕉が見たいと妻が言い出し自分で運転をしなくて済むツアーに申し込んだ。久しぶりの尾瀬だと思い返したら12年ぶりであった。大船・戸塚・横浜・川崎でツアー客を乗せる団体の臨時列車で、私たちは横浜から乗り込んだ。前日夜の10時半過ぎに横浜を出発し沼田駅に翌5時10分過ぎに到着する。都合上6時間以上掛かり、さらに沼田駅からそれぞれバスに乗り換え、鳩待峠まで1時間半程度かかった。寝台車以外で夜を過ごすのは修学旅行以来で、腰掛けた状態と、列車内の照明は調整できず明るいままなため、ウトウトはするのだが完全に寝不足になるのと、全車両禁煙のため、また長時間停止する駅も途中であるのだが、ホームには降りられない状況で、きつい時間であった。

 鳩待峠に到着すると我々より早めに到着したハイカーが大勢いる。妻は人の多さに驚いていた。駐車場の山際にはまだ残雪があり、至仏山の山肌にも多く雪が残っている。しかし太陽にあたり白く輝く部分と、芽吹き始めた木々の緑が美しい。周囲の会話からだが、昨日は雨だったらしく、今日は晴れて眺めもよい。ここからは集合時間の午後3時までは自由行動となる。トイレに行ってからと出発と思ったが、あまりのトイレ渋滞だったため、山の鼻まで行くことにした。まず下るところで順番待ちのような列、妻は初めての尾瀬と言うこともあり、出来る限りゆっくり歩くように言っていたのだが、そんな心配は全くいらなかった。蟻の行列状態で下ってゆく。


 所々に木道を覆うように残雪が現れる。やや滑るため、どうしても歩みを止めることが多くなり、その分時間が掛かってしまう。山の鼻直前の川上川に架かる橋の手前には、川沿いの湿地に水芭蕉が多く咲いている。久しぶりに本物を眺めた。この分なら尾瀬ヶ原は見応えがあるだろうと期待してしまう。


 山の鼻手前にも、例年よりやや多い雪が残っている。尾瀬ヶ原に向かっている人達がいるので鳩待峠ほどではないが、大勢のハイカーが屯している。妻はすぐに土産物などを物色すべく売店に入ってゆく。私は適当な場所に座り込み、タバコを吸いだす。私の記憶では山の鼻にはビジターセンターはなかったように思える。またセンターの裏手の立派なトイレもなかったようだ。上でもそうだが、男性用は空いており、女性用は長蛇の列。以前はよく見かけたのだが、今日のおばさん達は男用に入っていかないで並んでいる。我慢できる範囲だったのだろうか。行ってみると入口に中が見える構造で小箱が設置されている。自然を守るためのトイレ維持管理費に充てるため、100円を入れるためとのこと。見ると1円、10円もちらほらある。私は当然入れたのだが、何人かは素通りしてしまっている。


 山の鼻を出てしばらくは木道の両側に雪が残っているが、残雪の周囲と水が赤茶けており、妻は尾瀬に似合わないと言いだす。私にはその色になっている仕組みは分からないが、自然の産物と位しか思っていない。池塘にも氷が小さく残っている。まだ緑がなく、枯れた草花がそのまま残っており、まだ全体が寂しい雰囲気である。やはり色は近くても赤・黄色などが混ざる草紅葉がよい。


 振り返れば至仏山が背景として風景をしめている。牛首分岐点では東電小屋方面(左手)に行くハイカーがまばらにいて、直進(竜宮方面)に向かう人達が圧倒的だ。私個人では東電小屋を回ってみたかったが、集合時間で制約があるため竜宮に向かう。牛首分岐から800mほど行くと、大堀川と地図には記入されている場所に着く。ここがパンフレットによく掲載されている水芭蕉の撮影ポイントらしい。確かに他では山の鼻手前と、木道の下に咲いているくらいだが、この一角は群生して咲いている。しかし見頃はもう少し先になるようだ。今年はいくらか遅れているらしい。写真撮りに時間を喰ってしまったが竜宮へ向かう。この先も木道の周りに水芭蕉が点々と咲いているだけだが、この辺りはキンポウゲ科のリュウキンカや、ショウジョウバカマが見られた。妻はあとどの位先まで歩くのか、と訊いてくるので、小さく見える竜宮小屋を指す。久しぶりの歩きにややばててきたらしい。竜宮小屋の前で昼食しようとしたが、ここも混雑して座る場所すらない。集合時間と帰りの歩く速さを考えて、山の鼻まで戻って昼飯にしようと、トイレ休憩程度で引き返した。


 引き返しは休憩もせず、前を歩くハイカーを追い越しながら山の鼻到着。休憩小屋前に座り軽く昼食。小屋に行けば何かは食えるとは思ったが、混雑しているはずとツアーでの希望者へ売ってくれる「まいたけ弁当」を妻は食べる。私はきのこは好きではないので、ツアー参加者全員に配られる朝食用「むすび弁当」だったが。売店でハローキティ尾瀬バージョン(水芭蕉)を土産として購入。従兄弟にあげるのだそうだ。鳩待峠から来る人もいるが、殆どは峠へ向かう人達でいっぱいになっている。団体が多いらしく、ガイドが色々な標識をもって合図、点呼し、出発してゆく。小一時間休憩後、峠に向かう。鳩待峠到着 帰りのハイカー達を載せる小型バスが次々にやってきては下ってゆく。通常の乗合もあるのだが、殆どは団体のバスである。時間待ちしている間に周囲がガスってしまった。尾瀬ヶ原に行っている間は晴れ間だったので幸いだった。集合時間は午後3時で添乗員が旗を掲げている。点呼をとり3時15分にバスに乗り出発。

 途中沼田市に入った辺りの漬物専門店に寄り、沼田駅へ着くが時間があるので自由行動だった。殆どは駅前でタバコを吸ったり、ぶらぶらして時間を潰す。列車は6時4分発、3時間半かかって横浜駅にやっと到着。時間もかかったが疲れたと思う方が大きかった尾瀬ヶ原だった。

途中で休憩、写真撮影などで時間を掛けた時間。
鳩待峠 7:27(1.08)8:35 山の鼻 9:08(0.46)9:54 牛首 9:54(0.51)10:45 竜宮 11:10(0.28)11:38 牛首 11:38(0.28)12:06 山の鼻 12:56(1.22)14:18 鳩待峠

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